
実は私、13年ほど前まで、バリ・ヌサドゥアでレザーのオーダーメードショップを営んでいました。
海外での店舗経営に至るにはいろいろいきさつがあるのですが、今回は省かせていただき…

登場人物は一人、除いて書かせていただきます。
(語りだすと人の悪口を言っている自分に嫌気がさしますので

)

vol.1に出てくる

Iというインドネシア人を責任者に3人のスタッフ。
オーストラリアやヨーロッパの観光客は、よくバリでレザーやカシミアのジャケットやパンツをオーダーします。

あまり知られていないのですが、インドネシアのラム皮やカシミアは高品質でリーズナブルなんです。
(牛皮は

ダメです)
観光客が滞在中にフルオーダーのレザー製品を

ホテルまでお届けするシステムです。
ドイツ人のお客さんは気に入ってくれて、ドイツに帰ってからもオーダーを出してくれたり…


そこそこ順調でした


ある日、Iから

国際電話が。

「高橋さん、オーダーがたくさん重ねってレザーの仕入れのお金が足りない。10万円、どうにかならないですか?」

「お前、どうにかって… 送金しても中4日はかかるし。で、なんでお金ないねん?そんな大きなオーダーか?」

「い、いや…

最近お客さんが多いので、ストックをかなりしているんです。でも、今回30着のオーダーがストックのないレザーで… 困っています」
この

電話からちょっと変な方向に向かいます。
毎日の売り上げ日報と、1週間に一回、銀行通帳のコピーと売り上げ集計をFAXさせていました。

ギャラも通常のインドネシア人の1.5倍程度は取らせていました。
3日前の通帳コピーにはまだ150,000,000ルピア(当時レートで¥2,000,000)は残っています。
いくらレザーの在庫を増やしても、店舗規模やバリエーションを考えたらすべて仕入れることは

考え難いことです。

電話に疑問

を感じながら、本当にオーダーならお客さんに迷惑かけられない…

どうにかしなければ。
ふっと、後輩が「彼女とバリに行きますねん」と2,3日前に行っていたのを思い出し、

電話。

「お前、いつから行く?そうか!明日か!で、ホテルは?パドマ、オッケー。で、今どこや?」

「居酒屋ですわ。ホルモンうどんのうまい、秀吉です」

「わかった、今から金持って行くからバリに持って行ってくれ。

Iにパドマに取りに行かせるから」

居酒屋「秀吉」に10万円を届け、お礼に後輩カップルのおあいそを払い、

Iに電話です。

「あした、後輩がパドマに泊まるから、取りに行け。10万円持たせたから」

「はぁ~助かった。ありがとうごじゃいます」
日本語達者な

Iが噛んでいます。何か、おかしい…

それから1週間、レポートが届きません。通帳どころか売上レポートも。
3日前に

Iに

「早よFAXせえ!」と電話した時は

「ごめんなさい。忙しいので…」と言い訳。

Iの

携帯に電話、出ません。店に電話をします。

「おい、アグス。Iは?どこにおる?」

「Iは3日来ていません。今、お店のもの何も無い」

「待て

どういうことや?何も無いって」
アグス、日本語は全くしゃべれません。英語は教員免許を持っているのでペラペラです。
私、片言… しかし、アグスは感じ取っています。

「Iが書類とお金と通帳を全部持っています。困っています。オーダーあるのに作れません。今日、高橋さんにヘルプの

FAXしようと思っていました」

予感が当たったなあ… と後悔しても始まりません。
とにかく

Iに連絡をつけるよう

アグスに指示、ほかのスタッフと共に全力で探せ!と。
私は、ガルーダ航空大阪事務所に最速でバリに行けるチケットをリクエスト。
3日後、

バリに着いた私を当時インターコンチネンタルのスタッフだった

AJIが迎えてくれ、ヌサドゥアの店舗に急ぎます。

到着。レザーショップの前、8人の人相の悪いインドネシア人に囲まれた

アグス&スタッフ


「あっ!高橋さん!助かった~」

「なんや?こいつら?なにがあった?」

「Iにお金を貸していると… それを払えと…」
8人は4人が日本でいう街金の従業員、4人は個人的に

Iに金を貸している奴らです。
翌日、話を聞いてやることにして一旦引き揚げさせ、アグスに

「明日、朝一銀行に行くぞ。通帳の紛失届出せ。で、いったん解約や」
翌日、いろんな意味で修羅場が待ち構えている予感を抱きながら、腹立たしさを紛らわせるため

カラオケに向かうおっさんでした。


どろ酔いじゃ!