
変なオヤジとバリに行ったこともありました。
途中から我慢できずにしっかり懲らしめてやったのですが、そのオヤジのマイナスオーラ

でしょうか?
帰路、

とっても疲れる出来事に遭遇しました。
2003年頃のこと、大阪の

年商250億円くらいある、とある結構な会社の社長がバリ家具に興味を持ち、元々の知り合いである私に

「バリに連れて行ってくれ」と言ってきました。
私、こんなオヤジ、

知り合いたくて知り合ったわけではありません。紹介されただけです。仕事の接点もありません。それなのになぜか、

なつかれていました。
だから、いくらお金持ちでも遠慮した物言いはしたことがありません。どちらかと言うとボロカスです。

その社長、あまりクセのいいオヤジではありません。
第一に、日本語が通じにくい、第二に、中学生並みの会話をする、第三に、歳のせいでしょうか、

酔うと同じ話を延々と繰り返します。

オヤジ社長、

お金はあります。
したがって、一緒に飲んでいるのはお金に群がっている奴ら、そのオヤジ社長の、延々と同じ話を繰り返す、中学生並みの、日本語が不自由な話に、

「社長~、最高ですわ~」

とか「わかります、社長!お気持ち、察します」とかぬかしやがる輩ばかりです。

私、同席した時は、遠慮なく双方の仲を変な感じに持って行ってやりました。
そんなオヤジとバリに行く羽目に…


「チケット、どうしますの?俺は、今回JALのマイルで行きますよ」

「わしか。わしは、アメックスで取るわ。ホテル、どこ泊まるんや?」

「俺はいつもの所です。オヤジさんは?」

「わしか。わしはアメックスで取るわ」
オヤジ、アメックスのセンチュリオンという黒~いカード持ってました。

自慢か!
気乗りがしないまま、

関空へ。
オヤジ、いつも会社就業中か、会社帰りにそのまま会うことばかりだったので、普段着を始めて拝見。

ラルフローレンのジャケット&ポロシャツをこんなに不細工に着こなす人間、初めて見ました。
ズボンは、しっかり折り目の付いた紺色のスラックス。裾上げしすぎてしっかり不細工です、アルマーニ…


足元の革靴、靴のヒラキで買ったのかと思ったら、フェラガモだったり。
まあ、金がありゃええっちゅうもん、ちゃいまんな。

JAL…

私、仕事です。贅沢しません。もちろん、エコノミー。

オヤジ、ビジネス… 正直、落ちてもいいと思いましたね、このオヤジ、死ぬなら。
まあ、エコノミーとビジネスはカーテンで区切られています。

7時間も近所で分かりにくい日本語の、中学生レベルの、同じ話、繰り返されたらかないません。
安心です。

テイクオフからかれこれ2時間30分

食事のサービスも終わろうとしたその時、

「おー、シャンパン飲んでるか、シャンパン。JALのシャンパン、うまいで~」
すでにベロベロオヤジ参上…


「あ~あ、来た… シャンパン?エコノミーにないの知って嫌味か!」

「おー、シャンパン飲んでないんか、シャンパン。うまいのに~」
日本語、こんなもんです、オヤジ。ボキャブラリー、

保育園児に劣ります。

「うまいうまい言うんやったら、持ってきてくださいや!持ってきて、うまいから飲んでみ?くらい言うてみい!」

「怒ってんの?持ってきたろか?持ってきたろか~」

「早よ行け!」
持ってこれるはず、ありません。ビジネスクラスだけのサービスです。

ん?持ってきました!オヤジ、CAさんに

「面倒くさいからボトル置いといて」って言ったらしいです。

アホです。まあ、アホに免じて頂いてやります。
しかし、横に座って一緒に飲もうとします。

「CAさん、CAさん!この酔っぱらった人、自分の席に帰ってもらって。迷惑です」
お帰り頂きました。
オヤジを払い、シャンパンを頂き、買ってあった柿の種でゆっくりフライト。
デンパサールまで

快適な旅をすごした私、たまにはオヤジも使えます。

デンパサール到着、税関でオヤジ、キャラメルを職員に渡しています。

「おみやげ、おみやげ言うから、しゃあなしにやったんや」
当時、税関職員が日本人に「おみやげ、おみやげ」と言って、1000円ほど巻き上げることが横行していました。1000円出さないと入国に非常に時間をかけたり嫌がらせをします。
しかし、オヤジ、持っていたキャラメルで済ましました。アホなのか、かしこいのか…

ちなみに今はありません。問題視され、現在はアライバルビザと言う名目で堂々と徴収しています。

オヤジはアメックスで予約した、【ザ・レギャン】という超一流ホテル。

私は定宿の1泊3000円の【PARUDANA DADI】…
オヤジ、ザ・レギャンの迎えの車に乗り込もうとした時、

「おー、一緒に行こうや。俺、バリはリッツカールトンしか知らんねん。一緒にレギャン、行こうや~」

「何言うてますの?ガキやあるまいし。レギャンでっせ、心配あるかいな」

「ええやんけ~、晩飯、レギャンでおごるから。ええやろ~」
断りません。レギャンで晩飯。なぜ、断るでしょう。行って差し上げます。
ただ、晩飯、とことんいってやります。

AJIも

WINATAもいます。インドネシア人、未知の世界です。

【ザ・レギャン】、素晴らしいホテルです。
70部屋弱、全室スイート。ツアー以外は安い部屋で1泊450ドル。
さあ、晩飯。レギャンのプールサイドにある

メインレストランへ。
スミニャックビーチを望み、灯りはかがり火、テーブルデコレーションはキャンドルの灯りのみ。
周り、オーストラリアを始め、ヨーロッパ他の余裕のありそうなカップルばかり。
おっさん御一行、場違い丸出し。特に

オヤジ社長のファッション。
着替えてから一段とセンスが光ります。
ピチピチの白ポロシャツ(アルマーニ・乳首うつりまくり)、皮の短パン(アルマーニ・異様に短い)、白の靴下、黒の革靴… 身長168cm体重90㎏(推定)の身体。
まあ、おごらせるだけですので、良しとしましょう。外国ですし。

「AJI,WINATA、好きなもの、頼め!え~と、俺は和牛のステーキ、シーザーサラダ、ロブスターのマヨネーズ焼き」

「お前、よう食うなあ… わしも同じもの」

AJIはイスラムですので私と同じもの、

WINATAはヒンドゥーですので肉をポークに。

オヤジ、シャンパン(スパークリング)好きです。
オーストラリアのスパークリングを1本、頼みました。もちろん、私もビールのようにいってやりました。
酔ったオヤジのマイナストークには耳を貸さず、

AJIたちと仕事の打ち合わせをしながら、一流ホテルで、しかもバリで和牛ステーキを堪能。日本の倍ほどします。
スパークリングは2本、

生ビール3杯ほど頂いて、おあいそは約

60,000円。
払わせてあげますね、オヤジ。
明日、明後日、嫌やけど相手する私への謝礼として。


AJI,

WINATA、うまかったやろ!高いもんはうまいやろ!