激しい疲労と睡眠不足で目はかすみ、空腹すぎるのに胃袋は食事を拒否。こんな思いをしながらジャワ島の僻地に仕事を発注に来ている。なんか、男前です、自分。
「コラ!お前らインドネシア人同士やろ!どうにかせえ!」
「車、バリナンバーの上、日本人乗ってるから仕方ないね。高橋さん、タバコある?」
「タバコ?セブンスターやで、あるけど」
「貸して」
AJIが私のタバコを群集にさらします。
「Saya mau !」群衆が欲しいと叫びます。AJI、惜しげもなく私のタバコを振り撒きます。
まるで、モチ投げに集まる田舎の民のように約20名がタバコに群がります。
「オッケー、今のうち。さあ行こう」
群衆の隙をついておっさん御一行車
走り抜けます。
「なんや?あいつら?ただの恐喝集団か?」
「みんな、仕事無い。だから、みんな、スハルト時代終わって喜んでる。でも、まだ仕事無い」
「お国やなあ… 日本は平和やわ。で、あいつら、タバコであんなに喜んでなあ。ほんまやったら、いくらくらい
お金やったらええねん?」
「う~ん、別にいくらでもいいけど… 大体5000ルピア(70円弱/当時)でいいかな」
「コラ!待たんかい!タバコ、280円やぞ!損してるやないか!」
ハメられた気分です
まあ、当時インドネシアのサンポレナっていうタバコは1箱30円くらいでしたからしゃーないっちゃあしゃーないんですが…
縫い子の村に到着です。村の有力者の
家に行きます。
有力者の家は
食料品店を営んでいます。ワルンっていうやつです。
有力者、最敬礼で迎えてくれました。店舗裏が自宅なのでそちらへ回ってくれと。
立派な家です…この村では… しかし、窓ガラス、一部しか入っていません。
とにかく、リビングで仕事の内容を話します。さすが、経験があるのでしょう、理解は早い
村の有力者。
梅ちゃん、また死にそうになっています。
「どした?梅、気分また悪いんか?」
「違いますよ、昨日吐いてから何も飲んでもないし、食べてもないじゃないですか」
「そうか。腹減ったんか?まあ、すぐ終わるから、メシ食いに行こうや」
この会話を不思議そうに聞いている
有力者。スタッフIに何言ってんの?と問うています。
I、言わなくてもいいのに「お腹すいて喉渇いてる」と伝えました。
出てきました、おもてなし。私、これが
嫌でした。
飲み物、
気温35度またまた常温コーラ、茶色に変色したストロー付。
食べ物、バナナの天ぷら(ピサンゴレン)ほとんど黒いめ、ハエ付。
私は手を付けません。
もちろん、ティダ・テリマカシー。
梅ちゃん、いってしまいました。あまりの空腹と渇きに耐え切れず、コーラをがぶ飲み。
しかし、さすがにストローは外して。バナナの天ぷらにも手を伸ばしています。
「う、うめ。や、やめとけ、おいっ!」
遅かりし… 食いました。
「結構、甘くていけますよ、これ」
梅ちゃん、4個も食しました。
アホです。
仕事の話が終了、とりあえずビーズを支給してサンプルを作らせることに。
本日中にビーズを支給すれば、1日2日でサンプル20個を作るというのでビーズを購入に行くことに。
有力者宅を出た途端、
「ううっぷ。うぇええええ」
食してからわずか3分、梅ちゃん、吐いています。反応、抜群です、梅ちゃん。食中毒で苦しまなくて済みます。
梅ちゃん、
死亡再び。しかし、胃袋かれこれ
20時間カラッポ
さあ、マシな食堂を探してメシにチャレンジ!
梅!今度こそ、食えるものあること期待してくれ