日本から17時間かけてインドネシア・ジャワ島の東端の村、バニュワギに到着したおっさん御一行様。

もう、深夜3時

をまわっています。


「おい、泊るところ、あるんか?」

「大丈夫、ホテル予約してある」

「大丈夫って…ほんまか?こんな村のホテル、まともなところあるか?」

「ティダアパアパ」
車で走ること30分

、ライトアップ

された建物が見えてきました。
入ります。なんと、ビラというか、コテージというか、オープンのロビーの向こうにはライトアップされたコテージ風の建物が何棟かあります

。まるでハリウッド映画のように。


「おー、ええやないか!こんなホテルがこんな村になあ…」
梅ちゃん

を車から引きずりおろしながら、ひとしきり感心しているおっさんひとり。

チェックインです。
床に直接身体を投げ出し、睡眠中のロビー係りの兄ちゃん

を起こします。

「チェックイン?名前?シアパ?」

「予約している、I」

「オーケー、予約関係ない。部屋、空いてるからOK」
ヤバヤバですわ、このホテル。予約、関係ないって

でも、泊れるから良しとしましう。


「4人?コテージか?」

「もちろん」

「オーケー、28万ルピア」
支払いはもちろん私… んっ?28万ルピア?約¥4000弱?(当時レート) 4人で???
安すぎます。この雰囲気で、このコテージで。なんで???

部屋に入ります。安さの謎はすぐ解けます。
2LDKプラスバスルーム…
リビング… テーブル、椅子、映らないテレビ各1台のみ。

ベッドルーム… ベッド(ダブル、すえた臭いのシーツ付)、シングルソファ各1

バスルーム… お湯はもちろん出ず。シャワー、水がチョロチョロ。トイレ、流れず。手汲み桶あり。


梅ちゃん、すえたシーツもなんのその、死んでいるのか寝ているのか。

おっさん、こんなところで爆睡できるほどできた人間ではありません。ビールを欲します。


「おーい、起きてるか?ビール、もらって来て。フロント、あるやろ」

「オッケー、待ってて」
もらってきました、気温32度

、常温ビール。ん~、ファンタスティック!

氷?このホテルの氷、使った日にはいつ日本に帰れるかわかりません。

チョロチョロシャワーを頂き、ビールに濡らしたタオル巻いて少しでも冷やし、シングルソファで飲んでいました。
その時、
「ボトッ!ドカッ!」

「ぎゃ~!なんや!うわ~助けて~」

死んでいたのか寝ていたのかの梅ちゃん

の枕元に45㎝はあろうかというオオトカゲが落ちてきました。
オオトカゲ、周りをゆっくり見渡した後、さっさとどこかに消えて行きます。住処があるんでしょうね、この建物内に

さあ、一刻も早く退散です。夜明けを待って退散です。

6時30分、チェックアウト。ほとんど寝ず、胃がムカムカ。


「あれっ?もう帰る?早いね。ブレックファースト、サービスあるよ」
ノーサンキュー、ティダテレマカシー。殺す気か!

チェックアウト後、コテージをじっくり観察。
壁、ヒビだらけ。芝生、実は雑草。ヤモリ、約60匹。おかげでハエ、蚊は少なし。

フロントの横の建物、気になりました。
まるで刑務所の茅舎のような建物…

覗いてやりました。6畳間程度の広さに3段ベッドが2台、6人様お泊り中~

エアコンなし、扇風機1台のみ、ワキガ臭もれなくサービス。

かれこれ40部屋、240人満室

。1泊5000ルピア(¥70円弱/当時

)。
さあ、逃げよう!

体調は最悪、でも、力いっぱい逃げよう

!どこに?