スコールも峠を越えたところで、さあ、
バツイチ女を捨て自身のホテルへGO!
「たかちゃ~ん、ごはん、ごはんは?腹減ったって!ワインも飲みたいって!なあ~」
「後で迎えに来たるから待っとけ。部屋でくつろいどけや」
「待ってるね~、早よ来てや~」
ホテルの
スタッフを呼びます。
「あの女の部屋にルームサービスでクラブサンドとフレンチフライ、赤ワインデキャンタで持って行って。そう言うてるから」
「今、大声出していたのはルームサービスのオーダー?はい、わかりました」
迎えになんか、来ません。放っておきます。
チャラ男、
「ねえさん、放っておくんですか?ボク、お相手しましょか?」
「お前、手におえると思うなよ、お前ごとき。まあ、ホンマに
酒のお相手だけならええやろけど」
「な、なにを… お酒だけに決まってるじゃないですか!」
「ふ~ん、お前、自分のオカンが理想の女らしいやないか。熟女好きらしいなあ」
「な、なにを… ね、ねえさん、まだ熟女じゃないでしょ?」
「中身、グチャグチャの熟女じゃ。もうグチャグチャ」
「や、やめときます」
翌朝
バツイチ女を迎えに行きます。
「たかちゃん!よくもっ!でもな、バルコニーで一人でワイン飲んでたら、女優になった気分やったわ。私、まだまだいけてるって」
「そやろ。そう思て放っておいたんや。ええ女にはバリのバルコニーとワインが似合うからなあ」
「わかってるやん!う~ん、気分いい」
アホで
助かりました。
「まず、子供服ファクトリー、連れて行ったるわ。KUTA KIZ」
「クタキッズ?有名?おしゃれ?かわいい?安い?オーナー男前?工場デッカイ?何人?生地いい?色目のメイン何?で、近い?」
「うるさい!黙っとけ!」
KUTA・KIZ
オーストラリア人のオーナーで、企画、デザインはすべてオーストラリア。
マテリアル、プロセッシングがインドネシア。
なかなか可愛い
子供服メーカーです。日本にはないバティックを使ったアロハとか、ワンピース、斬新なデザインが多くあります。
実は
おっさん、昔かなり輸入、販売しました。20フィートコンテナ3本分くらい。業販ですが…
で、バリのトップとかなりの仲、今回はバツイチ女の為に型遅れ(1年前)のものを特価で売ってもらえるよう、前交渉済み。
なんやかんや言うても
ええ奴です、おっさん。
「おー!高橋さん、久しぶり!元気?」
「元気やで、KADEも元気か?」
久しぶりにもかかわらず、かなりの歓迎ぶり。それもそのはず、バリのマネージャー、KADE。
以前、かなり
儲けさせました、会社を通さないビジネスで。
「高橋さん、この中のものは全部
70%OFFでOK!好きなだけ買ってください」
「70%OFF!?エライ安いなあ。で、KADEは?」
「うん、
5%でOK」
「おい、バツイチ!
65%OFFやで、全部。値札の
35%で買えるって」
「うそや~ん!うれしい!むっちゃ可愛いし、やっすいやん!え~テンション上がる~
」
「おう、頑張れよ
」
バツイチ女、ストック庫に突入、片っ端から探り出し、散らかす散らかす。
「KADE、散らかしても問題ない?」
「大丈夫よ、どうせ全部整理する予定だから」
「おーい!なんぼ散らかしてもええらしいぞ!どれくらいかかる?
時間?」
「え~?わからんわ~。600枚くらい買いたいから、3時間くらいかなあ…」
「わかった、ゆっくり選べ。俺、オフィスで待っとくわ」
「え~、手伝ってえや~」
「嫌じゃ!おっ、チャラ男、手伝うか?」
「ね、ねえさん、手伝いましょか?」
「チャラ男、当たり前じゃ!早よ、来て手伝え!」
チャラ男が手伝いだしました。
私は、自分の仕事に向かいます。
チャラ男、石のファクトリーに連れて行くのは明日。
放っておきます、
アホ2名。
自分の仕事、アイアン製品のオーダー、家具の買い付けを済ませ、
KUTA KIZのファクトリーに戻ったのは
5時間後。どうせアホ二人はブツブツ文句を言ってるでしょう。
「ん?なんや、お前ら。まだ引き散らかし続けてんのか?」
「あっ、高橋さん、もう助けて下さいよ~、昼飯も無ですよ~」
「あっ!たかちゃん!どこ行ってたん!チャラ男、しんどい、疲れたばかりで役立たん!早よ、手伝って!」
バツイチ、かなり本気でした…
今までのような軽い気持ちで来たわけではなかったようです。
このアホ女の本気の姿、初めて見ました。
あっ、男ハメる時は本気でした、今までも。
「わかった。お前、本気なら手伝うわ。何、探す?」
「うん、あとは6歳~10歳までの男の子の服」
「KADE、6歳~10歳の男の子の服、どの棚?」
「あー、そこの奥の棚」
「なによ!たかちゃん、おったらすぐ終わってるやん!私、聞かれへんから探しまくりやのに」
「知らんがな、ちょっとくらい苦労せい!」
KUTA KIZに居る事
7時間、やっとピックアップが終了。
伝票は時間がかかるのでまとめておいてもらって、パッキングも依頼。明日夕方引き取りに来ます。
しかし、バツイチ女の一生懸命な一面を見て、ちょっと感心したおっさんは、
「よし!中華、うまいとこおごったろ。ディナスティーで北京ダックでも食うか!」
「わ~!たかちゃん、最高~。レッツゴー!」
ホテル・ディナスティーで北京ダックその他を食し、ワインをたらふく飲み、満足のバツイチ。
高い
食事と思うでしょう、なぜ、おごるのかと思うでしょう。
おっさん、
KUTA KIZからコミッションもらいます。
インドネシア人のように。
北京ダック?タダみたいなものじゃい